突然ですが

たまに使う四字熟語の「四苦八苦」とはもともと仏教用語です。
ブッダが悟りを開いて初めて行った説法の内容で、苦・楽を離れた「中道」というものと、苦・集・滅・道を表す「四聖諦(ししょうたい)」というものがあります。
で、「四聖諦」には苦諦、集諦、滅諦、道諦という四つの心理があるのですが、その中の苦諦というものの内容が「四苦八苦」です。生、老、病、死の四つの苦しみと、「愛別離苦」、「怨憎会苦」、さらには「求不得苦」、そして「五蘊皆苦」の四つの苦しみをあわせて「四苦八苦」といいます。四字熟語としての「四苦八苦」は文字通りやたらめったら苦しむことですね。
他にも日常よく使う言葉で「結集」も仏教用語です。仏教用語としては「けつじゅう」と読むんですが、ブッダの死後、弟子たちが集まってブッダの教えをまとめるための会議が開かれたんですが、その会議のことを「結集(けつじゅう)」といいます。
「刹那主義」のように使われる「刹那せつな)」というのもそうです。全ての存在は生じては滅び、滅んでは生じながら存在しているという「刹那生滅(せつなしょうめつ)」から来てます。ちなみに「刹那」は時間を表す最小単位で、一刹那は0.013秒らしいです。
僕は熱心な仏教徒でもありませんし仏教を意識するのは法事や葬式の時くらいなんですが、改めて考えてみると、仏教は歴史的にも日本の中に深く根付いていてこのように言葉一つとってみても日常生活の中にもいつの間にか入ってきています。
宗教というとなかなか難しそうですが、信仰の対象としてではなくとも、仏教なりキリスト教なり生活の基盤としての宗教というのはないよりはあった方が楽に生きられるのかなと思う時がたまにあります。